2014年11月13日木曜日

 


              


 「うるしのかたち展2014」に寄せて

 「漆」という漢字は中国から入って来た物ですが、漆の樹木も文化も中国から来た物なのでしょうか。皆様は「漆」を何と読むのでしょうか。「シツ」と読みましたか。「ウルシ」と読んだのでしょうか。
  このように一つの漢字に対して私たちは音読みと訓読みの二つの読み方をします。この音読みには漢音、唐音、呉音と中国で使っていた時代と場所によって様々な読みが有ります。
 それに対して訓読みは漢字が入ってくる前から、日本列島に住んでいた人たちが使っていた言葉なのです。もし漢字文化と一緒に漆の樹木と漆文化が入って来たのなら、「うるし」という言葉は無かったはずです。
 現在世界で最古の「漆芸品」も掻き傷の有る「漆樹」も日本列島から発掘されています。この列島に9000年以前の人たちが漆を知り、育て、使っていたのは明らかな事実です。
その後は世界各国との多くの交流の中で日本に育まれた漆芸術を私たちは学んでいます。
 今年から、歴代の教員の先生方に参加をして頂き、様々な表現が創り上げる世界、漆芸の様々な姿を展示することに致しました。
多くの方にご高覧賜りたく存じます。
                         東京藝術大学学長特命 国際交流室 教授 
                                      三田村 有純

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